クリティカル・シンキングとは?

「クリティカル・シンキング」とは、与えられた課題について、背景にあるさまざまな観点を考慮しながら、論理的に考え、説得力のある答えを導く力のことです。
学校教育においても、下記のような場面で
クリティカル・シンキングの力が重要となります。
 小論文、課題論文   条件作文、資料読解問題
 プレゼンテーション、課題発表など

クリティカル・シンキングはなぜ必要なのか?

 教育現場では、「クリティカル・シンキング」重視の潮流が生まれつつあります。

平成24年6月に文部科学省が発表した「大学改革実行プラン」において、「クリティカル・シンキング重視の入試への転換」が提唱されました。マークシート式のセンター試験だけでは測れない力への注目が高まっています。

② 大学入試改革

  • クリティカル・シンキングを重視した入試への転換
  • TOEFL等の入試での活用促進

(平成24年6月発表 文部科学省資料「教育改革の7つのポイント」より抜粋)


既に現行の指導要領においても、クリティカル・シンキングについて言及されています。

・・・これからの社会を生きる子供たちは、自ら課題を発見し解決する力、コミュニケーション能力、物事を多様な観点から考察する力(クリティカル・シンキング)、様々な情報を取捨選択できる力などが求められると考えられます。

(平成22年8月 文部科学省「新指導要領 保護者用パンフレット」より)

・・・学力に関する各種の調査結果により、我が国の子どもたちの思考力・判断力・表現力等には依然課題があることが明らかとなっている。また、課題発見、解決能力、論理的思考力、コミュニケーション能力や多様な観点から考察する能力(クリティカル・シンキング)などの育成習得が求められているところである。

(平成24年6月 文部科学省「言語活動の充実に関する指導事例集 【高等学校版】より)

さらに、文部科学省の研究開発学校として、「クリティカルシンキングを育成する中等教育課程の研究開発」がテーマとして採択されるなど、文科省の教育施策において、クリティカルシンキングが大きなポイントになっていることがわかります。

 本教材『クリティカル・シンキング』は、21の力で構成されています。これらの力を身につけることで、大学入試への対応が可能になります。

■ 入試現代文
入試現代文では、「指示語の問題」「段落関係を考える問題」「論旨を捉える問題」など、さまざまな設問が出題されます。クリティカル・シンキングの21の力のうち、12の力は文章読解の基礎となる論理的思考力、すなわちロジカル・シンキングにつながるものなので、これを身につけることで、客観的・論理的に文章を読み取り、どのような設問でも正解が導き出せるようになります。
■ 小論文・論述入試
入試小論文・論述入試では、与えられた資料を正確に読み取り、自分の意見を論理的に組み立て、わかりやすく表現しなければなりません。そのために必要なのが、【情報活用力】【背景洞察力】【四部発信力】といったクリティカル・シンキングの力です。これを身につけることで、多様かつ難解な小論文・論述入試にも対応できる実戦力を養うことができます。また、この力は、抽象的で難易度の高い論説文の要旨を把握するのにも役立ちます。

 経団連の調査で、企業が学生に求める力として「論理的思考力や課題解決力」が一番に挙げられました。グローバル化の波にさらされている企業にとって、国際的に通用する人材を採用することは喫緊の課題です。「クリティカル・シンキング」重視の潮流は、このような社会からの要請が背景にあります。